日本を渡り歩くストーリー

食いしん坊のウェブデザイナー

 

登場人物

 

主人公: 佐藤 裕介(さとう ゆうすけ)東京から礼文島に引っ越してきたウェブデザイナー

 

民宿のおばさん: 田中 久美子(たなか くみこ)船泊地区にある民宿「花の島」の女将

 

漁師: 鈴木 勇太(すずき ゆうた)元地地区で漁業を営む若者

 

 農家: 山田 美智子(やまだ みちこ)宇遠内地区で野菜や花を育てる女性

 

 

 

 

 

 

僕は佐藤 裕介といって、東京でウェブデザイナーとして働いていた。仕事は好きだったが、毎日同じような生活に飽きていた。コロナ禍で在宅勤務が増えたこともあり、どこでも仕事ができると思った。そこで、思い切って北海道の最北端にある礼文島に引っ越すことにした。礼文島は「花の島」と呼ばれており、高山植物や海の幸が豊富だと聞いていた。僕は自然が好きだったし、新しい環境で刺激を受けたかった。

 

もう一つの理由は、僕は食いしん坊だったからだ。僕は美味しいものを食べるのが大好きだったし、色々な料理に挑戦したかった。礼文島はウニやホッケなどの海鮮が有名だと聞いていたし、それ以外にも珍しい食材や郷土料理があるという話も聞いていた。僕は礼文島で食べ歩きをするのが楽しみだった。

 

礼文島に着いたのは2023年の春だった。島には小さな空港があるが、僕は稚内からフェリーで渡った。船から見える島の姿は美しかった。島の中心地である船泊地区にある民宿「花の島」に部屋を借りた。部屋は狭かったが、窓からは海が見えた。インターネットも問題なく使えた。民宿のおばさんである田中 久美子さんは親切で、僕を温かく迎えてくれた。

 

最初のうちは、仕事と観光に忙しかった。島には7つのトレッキングコースがあって、それぞれに違った景色や花が楽しめる。僕は休日になると、カメラと水筒を持って歩き回った。礼文岳やスコトン岬、桃岩やトド島など、見どころはたくさんあった。特に印象的だったのは、夏になると咲くニッコウキスゲやエゾコザクラだった。色とりどりの花々が島全体を彩っていた。

 

仕事も順調だった。僕はウェブサイトやアプリのデザインを担当していたが、礼文島の自然からインスピレーションを得て、新しいアイデアを次々と生み出した。クライアントからも好評だったし、収入も増えた。僕は仕事をする場所を変えることで、創造性が高まったと感じた。

 

しかし、一番楽しかったのは食事だった。僕は毎日違うお店や食堂に行って、礼文島のグルメを堪能した。ウニ丼やホッケ丼などの海鮮丼はもちろん、炉端で焼くホッケのちゃんちゃん焼きや昆布もちなどの郷土料理も美味しかった。また、ジェラートやパンなどのスイーツも充実していて、甘いもの好きの僕には最高だった。

 

島の人々とも仲良くなった。田中さんは僕に手作りの料理を振る舞ってくれたり、島の歴史や文化を教えてくれたりした。近所の漁師である鈴木 勇太さんや農家の山田 美智子さんも気さくで、僕に魚や野菜を分けてくれたり、一緒に飲みに行ったりした。僕は東京では味わえなかった人情味に触れて、心が温まった。

 

1年間の礼文島暮らしはあっという間に過ぎてしまった。僕はこの島で多くのことを学んだし、楽しい思い出も作った。僕はこの島を離れるのが寂しかったが、またいつか戻って来ようと思った。僕は礼文島に感謝して、フェリーで稚内へ向かった。

 

注記

この物語は礼文島について調べ物語を綴ってみました。